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サラバ!~自分の信じるものは・・ [本・漫画など]

1年以上前に図書館で予約していた西加奈子の「サラバ!」という小説と、

「本当の自信を手に入れる9つのステップ」(精神科医・水島広子著)という

ハウツー本(何故この本を借りようとしたのか覚えていないのだが)が

同時に回ってきてしまい、立て続けに読むことになった。[本]

サラバ! 上 (小学館文庫)

サラバ! 上 (小学館文庫)

  • 作者: 西 加奈子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2017/10/06
  • メディア: 文庫
小さなことに左右されない 「本当の自信」を手に入れる9つのステップ

小さなことに左右されない

「本当の自信」を手に入れる9つのステップ

  • 作者: 水島広子
  • 出版社/メーカー: 大和出版
  • 発売日: 2013/04/16

「サラバ!」はエキセントリックな圷(あくつ)家の崩壊と再生を、
主人公の少年・歩(あゆむ)の目を通して描いた長編小説。西加奈子が
暮らした当時のテヘランやカイロでの生活描写も盛り込まれている。
歩は自分に被害が及ばないよう、奇矯の塊のような姉の存在を無視し、
争い事の現場では存在感を消すという術を幼い頃から身につける。
姉とは違い恵まれた容姿と空気を読む努力で、受け身ながらもモテ男
の地位を保っていたが、30代で禿げ始めると人生が暗転していく。
歩が信頼する数少ない友人知人達が皆、世間的には厄介者である姉を
「感受性が強く純粋すぎる人」として理解を示すのも解せない。
一方、がむしゃらに自分が信じられるものを求めて彷徨を続けた姉は、
皮肉にも歩がどん底の時期に精神的な幹(支柱)を得て安定していく。
親友同士が自分の不在中ぬけがけするように恋仲になっていたり、
ルックスの衰えが気になって仕事も減っていくという逆境の只中で、
自分にしか書けない小説を書くことで「自分自身が神になる」ような
感覚を得て歩が立ち直っていくという所は、なかなか良かった。
他人との比較に明け暮れ、他人からの評価=自分の価値と思い込む
と些細な事で自信を失い、軸がぶれてしまう。姉が力説するように
「自分の信じるものは自分で決めなければならない」のだ。
  2017asakura16ショコラ.jpg
偶然にもこれは「本当の自信を手に入れる9つのステップ」のテーマ
にも重なっている。(そういえば「自信」は「自分を信じる」と書く。)
著者によると、自信には「DOの自信」と「BEの自信」という2種類が
があり、「DOの自信」は「○○さんより上手くやる自信がある」「人脈
の多さ・スタイルに自信がある」という類い。自分よりも優れた人が
現れたり、成果が上がらないと折れてしまい、状況に左右されがちな
自信。(傍から見て鼻持ちならない自信家、自己顕示欲が強く人を蹴落と
すタイプが持っているのは「DOの自信」なのかもしれない。)
一方の「BEの自信」は「仕事には誠実に取り組みたい」「他人との繋がり
を大切にしていきたい」等、「自分がこうありたい」というあり方を重視し
「できるだけこうしたい」という感覚なので状況に左右されにくく、上手く
いかない時も「方向性はそれでよい」という自己肯定感を持ち続ける事が
できる。それがこの本でいう「本当の自信」ということのようだ。
確かにそのように考えると肩の力が抜けて、目的に集中できそうである。
   IMG_20180101_181727.jpg
話は戻って歩が栄光の時代に感じていた自信は、まさに「DOの自信」。
そして姉が手に入れた自信は「BEの自信」に近いのではないか。
BEの自信は人と争って無理をすることも、いつかその自信が脅かされる
日が来るのでは、という心配も要らないので基本的に穏やかでいられる。
IMG_20171109_164243.jpg
西加奈子の小説は勢いがあって読みやすく、発達障害を思わせる様な
不器用な人達が七転八倒しながらも何かを掴んでいく話が多いが、
その視線が温かいから安心して読めるのだ。
余談だが、大人よりも子供の方が異文化に馴染みやすいのは「~すべき」
「~するのが普通」という縛りが少ないからだろうか。好奇心を失わず、
それらの縛りから比較的自由だと、年を重ねても未知の世界でも驚きを
もって楽しめそうな気がする。できることならそういう人でいたいと思う。

nice!(42)  コメント(10) 

nice! 42

コメント 10

lequiche

西加奈子はそんなに知らないですけど、
文章、うまいですね。(なんておこがましい! ^^;)
吉本ばななの純粋培養みたいなのと違った傾向で、
この人すごいなぁと思っています。
by lequiche (2018-01-08 00:45) 

DON

子供の頃から 好奇心だらけ
いまだに 大人になれてないかも~(^_^;)
by DON (2018-01-08 20:42) 

リュカ

面白そう。読んでみようかな^^
by リュカ (2018-01-09 10:27) 

sana

西加奈子は何冊か読みました。
「さくら」はちょっと、「ふくわらい」がよかったです。
「サラバ!」も、海外でいい友だちができていた話など、印象に残っています。
このお姉さんはかなりすごくて、感情移入はできなかったですね~書き方も弟視点なせいもありますが。
で、この弟のダメさ加減はどうしよう?っていう。でも、冷静に考えると、よくある程度なんだけど。こちらに感情移入してると、いたたまれない^^;
お姉さんと比較すると辛くなったとしても、実際にはお姉さんが落ち着いたことで、助かりますよね^^

DOの自信とBEの自信、なるほどねえ。
そういう考え方は知りませんでした。
どちらのタイプでもそれが揺らぐこともあるでしょうね‥
ご紹介の本はそのうち読んでみたいと思います^^
by sana (2018-01-09 20:35) 

トロル

本箱に、タイトルにに惹かれて買った「炎上する君」があります。
もう一回、読みかけてみようかな。
by トロル (2018-01-09 20:39) 

うりくま

lequiche 様
いや、lequiche 様なら言っても構いません!
(ってどこから目線?!)3年だけ関西にいた
ので関西弁の持つリズムや遠慮ない物言いが
懐かしく、読後は「にわか関西弁」になります。
ところで吉本ばななはコアなブルーハーツファン
で、昔その著書を読んで更にはまったのでした。
上げていただいた夜ヒットのYOUTUBE映像から
甲本ヒロト関連がいろいろ見られ楽しかったです。
「夜タモリ出演」「水道橋博士との同級生対談」
「たけしが嫉妬する甲本ヒロト」「忌野清志郎へ
の弔辞」等、この声、この話、やっぱりいいわ。



by うりくま (2018-01-10 00:08) 

うりくま

DON様
確かに~DON様は御記事からも少年のような
感じが伝わってきます。私もそういう気持ちで
いたいと思っています。というか、私の場合
常識に囚われないというよりも、未だに常識を
知らないと言う方が正しいかも(^^;)


by うりくま (2018-01-10 00:13) 

うりくま

リュカ様
「サラバ!」はハードカバーで分厚い上下巻、
「本当の自信~」は参考書みたいに要点が
わかりやすくまとまっています。どちらも多分
図書館にもあると思いますヨ(^^V)。

by うりくま (2018-01-10 00:18) 

うりくま

sana様
お姉さんに共感できる人は稀だと思いますが、
自閉症の子供に見られる行動もあったので
自閉症スペクトラムの息子の親としては興味
深かったです。後半での変わり様を見ると、
違ったか、と思いましたが(^^)。
太宰治の「人間失格」の関西弁グローバル・
ヴァージョン的な所も面白かったです。
人気者の定義って、年齢によって大きく変化
するので歩に限らず人気の凋落は起こるもの
だし、あんなに魅力的な親友がいるって事は
恵まれているし見る目はあるな、と。姉の
ことを避けているようで実は激しく意識して
いたので、引き寄せるものがあったのかも?
BEの自信も揺らぎますか(笑)。どういう
設定にするかが肝心なんでしょうネ。

by うりくま (2018-01-10 00:34) 

うりくま

トロル様
「炎上する君」、未読ですが凄いタイトル!
私も読んだのに内容を覚えていないものもあるし。
(「舞台」とか。)活劇みたいに読んでいる間は
ワクワクするんですけどね。「サラバ!」は作家
生活10周年記念の集大成のようなので、一読の
価値はあると思います。まだ読んでいないものが
結構あるので、順番が回ってきたら(図書館の)
読みたいなあ。
by うりくま (2018-01-10 00:43) 

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